お弁当の時間 1,2,3

 一つの曲、音楽を料理に例えることはよくある。料理のそれぞれの素材が楽器や楽譜であって、料理をする人や演奏者や指揮者であって、食する人がいて、また素材を作る人もいて、調味料も必要で、器やテーブルにもこだわって、お店のおもむきや雰囲気、色や味や形や、音楽と同じようなことがたくさんある。
 そして楽団もプロに社会人に大学、高校・中学の部活、小学校のクラブ、またJAZZにクラシックに吹奏楽、アンサンブルにとジャンルも多種多様、料理のメニューも異国の文化同様いろんな楽しみ方がある。
 WESの演奏会を一言で例えたら、ズバリこう!「私たちの演奏会は手作り弁当!」、みんなでワイワイ集まって、お茶してお話しして(ちなみに昼酒してごろんとする親父も何人かいて)、さて何にするか~と先ずはテーマを決めて、材料を集めるのはそれぞれで持ち寄り、卵焼きを持ってくる人もいれば、ポテトサラダに山菜の和え物を、漬け物があったと思えば赤飯があり、ウィンナーにアスパラの肉巻きに彩り豊富にコーディネート、旅先のお菓子を持ってくる人もいれば、自分の家のコメやトマトやナスまで持ってくる人もいる。自由そのものである。しかし自由の中にもブレない何かがある。それは食する人には笑顔で提供、おそそわけする心、その光景は村の神社の祭りに集まったご近所同士がゴザを引いて宴を楽しんでいるようにも思え、そしてたまたま神社の前に通った旅人や久しぶりに里帰りした仲間をもてなす心がある。もちろんいい料理、いい音楽を作りたい心は皆最高の心がある。しかし料理と音楽を学び一流で最高な人達が最高の演奏や料理をすることとは違い、一人一人の持つ味、それぞれの仕事や生活で培った糧アイデア、キャラクター、音楽家や料理家には持ち得ない特技、車の修理であったり、病人や高齢者への介護、小さな子供の扱い、製造する技術もあれば、電波に声を乗せる人、病人に優しく薬を手渡すことがあれば、窓口や営業で顧客とのコミュニケーションを取ることが大事だったり、事務的な仕事を処理する能力もあり~
 こんな手作りの弁当が少しずつ少しずつであるが彩りを添え、皆さんに見て食して楽しんで頂こうと、一生懸命汗して、時にはうまくいかず悩みもがき涙して、少し怒る人もいれば、陰で支えてくれる人もいて、突っ走る人もいれば、まぁまぁとお茶を飲んでからと自分のペースを守る人もいて、そんな弁当をみんなで楽しむ、それがWESの演奏会~ 2017年、冬が来た。
 

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